結果を規定する前提条件

 仮説は拠って立つ前手条件が崩れれば結果も異なる。そこで仮説が成り立つ状況や特性をまず規定して仮説を立てることになる。状況とは「経営状態の良不良」とか「新商品の導入期、衰退期」といった捉えかたであり、特性とは「女性、男性」、「若者、高齢者」などであるが、このように状況や特性で仮説の枠組みを規定される。
 Aという状況にあるとき、Bという特性を無視したのでは、結果を導き出す仮説の精度は著しく低くなるであろう。例えば、ビールの売上について仮説を立てる場合と、アイスクリームの売上について予測する仮説を立てる場合では、状況は同じであったとしても、対象とする顧客層の特性(ビール党、子供)が異なれば結果も異なる。
 ある商品の売上高を高めるためにどのような手段があり、そして最も効果的な手段は何かという仮説を立てる場合、市場の状況を市場の特性という二つの切り口からフレームを限定することで、予測の精度が高い仮説を導き出すことが可能になる。逆に言うと、この仮説の検証もピンポイントで可能になるため、更なる仮説が立てられやすくなる。
 状況と特性からターゲットとする顧客層のポジションを把握する分析手法では、主成分分析を用いると便利であるが、フレームが絞り込まれていれば、SWOT分析を活用することも可能である。ただし、この場合の分析精度は主成分分析より低いが、初期の段階での仮説には十分役立つので、是非活用したいものである。
 いずれにしても、市場がどうなっているかを確認しただけでは、売上の増加に直接活用することは出来ないので、自社や顧客のポジションが形成されている要因を検証する(これも一種の仮説と見ることもできる)ことで、売上を高めるための要因とそのグレードを導きだすことが出来る。これは状況と特性の組み合わせから因果関係を探ることである。
 このときに用いられる手法が、重回帰分析ないし判別分析であるが、分析手法を駆使するにしても、仮説思考を働かせなければ、定性的な要因を特定することは出来ないので、データベース化された過去の経験則がものをいう。このように、仮説とは、未知数(引数)の多い方程式の解という性格を持っているものということになる。