仮説思考が出来ない人の特徴は、「前例がない」「情報が不足している」「リスクが高すぎる」「失敗したらどうする」などといった思考から抜け出せない。これの考え方は、一見論理思考のように思われる面もあるが、実際には逆であることが多い。すなわち、失敗を恐れるあまり単に不作為を選んでいるだけのことである。
仮説思考とは完全なものを求めるあまり、何もしないというのでは、永久に問題は解決しないので、それ自体全く意味がないことになる。仮説とは、現状を踏まえた上であるべき姿に一歩でも近づこうとすることを前提にした行動をとるときに、仮に設定した結論であるから、ノーリスクではないにしても一筋の光明にはなるはずだ。
過去の経験にこだわり、一歩踏み出すことが出来ない人は、慎重そうに見えるが状況を分析できないだけのことである。世の中には「慎重であること」と「臆病であること」を取り違えている人が多いのも事実であるが、経営の意思決定は結果論でしか評価できない面があることを覚悟の上で、結論を出さなければならない。
こうした過酷な制約条件の中で、極大化ではなく満足化に焦点を当てて経営指針を決定しなければならないことを考えると、仮説思考で立ち向かわなければ、経営は停滞どころか後退してしまう。仮説は決してあてずっぽうで方針を立てるというのではなく、むしろ、失敗を最小限に喰いとどめるための事前の策なのである。
精度にこだわり過ぎる、仮説思考不足の人は全てに正確性を求めているように見えるが、実は拠り所が何もないため、怖くて一歩も踏み出せないだけなので、過去の常識や建前にしがみついているだけである。優秀な営業マンとそうではない人の違いは明らかにこの点にあると言っていいほど仮説力が不足している。
仮説力とは、自分や組織がどうあるべきか、そしてそのためにはどこを到達点と定め、どのようにアプローチすべきかを組み立てる力であるから、過去の出来事を全く無視するというものではないが、どちらかというと未来志向である。つまり、仮説力を身につけるには、未来に目を向けて大胆な予測を立てることである。
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