メンテナンス情報の提供?その2

 デモンストレーションなどにより、事前の期待をより明確に把握することはある程度は可能であるかもしれない。しかし、どんなに手をつくしても事後に発生するかもしれないリスクを全て先取りすることは不可能に近い。このことについては、相手先も予想しているので、全てのリスク回避を営業マンに保証させることはないはずである。
 したがって、どんなに完璧を期して作成された契約書でも、潜在的トラブルを回避することは不可能であるから、トラブルが生じた場合の対処方法をあらかじめ盛り込んでおくことになるが、それとても、契約時点における信頼関係がなければ、契約当事者双方にとって大きなリスクを背負い込むことになりかねない。
 車をはじめ機械関連の商品を巡るトラブルは、大なり小なり発生することは避けられないが、営業マンの姿勢やクレーム処理により、円満に解決できる余地は大きい事は誰でも経験していることである。デメリット表示や取扱上の注意を義務的に伝えれば足りるというのではなく、十分に伝える姿勢が相手に評価されたかどうか問題なのである。
 営業成績が良好な営業マンは、このような潜在的トラブルを先取りして、これを回避する方策を常に講じているばかりか、発生してしまった場合の処理にも長けている。こうした姿勢が図らずも自社や自分の強みとなり、顧客の課題解決にとって欠かせないパートナーとして成長して存在感が高まっていくことになるのである。
 課題解決のためのパートナーとしい位置づけられれば、当然中核的課題も十分に把握できる立場に立つことになるから、双方のコミュニケーションも密度の濃いものになり、新商品の提案も的を射たものになる。このようなメカニズムの中では、如何にメンテナンス情報の提供が大きな役割を担っているかが理解できる。
 しかし、実際の業務において、「一社に関わる時間は限られているという理由で、そうした付き合いに育て上げるのは無理である。」と多くの営業マンはいうが、それでは、経営上の悩みを得意先から打ちあけられる営業マンの存在は説明がつかない。地味ではあるが、メンテナンス情報を提供し続けることの意味はこの辺にありそうだ。