契約が締結されやがて商品が納入されると、いよいよ、それぞれの現場で稼動し始めることになるが、不安と期待が入り混じっている状態であるのは、相手方ばかりではなく営業マンにとっても同じことである。商談の時点で相手が最も懸念していたことが、現実のものとなったりすることだってあるかもしれない。
そうしたときに、営業マンが詭弁を弄して逃げ腰になったりしたのでは、一気に信頼関係が崩れてしまい、場合によっては修復が不可能な状態になることもある。こうした状況に陥ったときこそ、真摯に取り組み相手の信頼を勝ち取る絶好のチャンスでもあると考え、むしろ先取りして、不安の解消に取り組むことが肝要である。
特に機械関連の商品の場合は、取扱い上の注意などオペレーティングに関しては、噛んで含むように説明し、実際の活用のしかたをじっくりと説明するなど、販売契約以前にも増した取り組み姿勢を示すことで信頼感が生まれる。更に、その後の対応もまた大事で、実際に使用した感想をアンケート調査などで確かめるなども有効である。
ある企業でかなりの額の設備投資を行った際、発注先企業の要望を過剰に盛り込んだため、工場としての本来的機能が果たせなくなり、両者の主張があまりにも隔たっていたため、遂に裁判にまで発展してしまったことがある。
この両者は数十年の取引関係にあり、これといったトラブルはなかったが、お互いの信頼関係はすっかり崩れてしまい、現在では全く取引がない状態にまで冷え込んでしまった。発注者側からすると、当初契約した機械の性能が発揮されていないといい、納入業者側の言い分は、仕様書通りの取扱いがなされていないためだと主張し合っている。
単体の機械の場合とは異なり、プラントとして総合的に生産能力を期待しているというのは、発注者側とすれば当然のことであり、契約の締結を急ぐあまり、十分なコミュニケーションが取れなかったことが原因で、結果的に両者が蒙った被害は膨大なものとなってしまった。メンテナンス情報の提供は契約前後にかかわらず不可欠な要件である。
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