提案書には事例や数値データなどを盛り込んだオリジナルな資料を添付し、とっておきの情報提供であること印象づける工夫が大事である。しかし、このような熱意のあるプレゼンは時として、てまえ味噌になる危険性もあることを注意しなければならない。つまり、デメリット表示を明確に示すことを忘れてはならないということである。
医薬品にも副作用があり、これを和らげるために別の薬が開発されるし、金融商品などでもデリバティブ商品が開発されるのはこれに似た現象である。自社が取り扱っている商品にも同じことが言えるわけで、全くデメリットのない商品などありえない。要はデメリットを上回るメリットが強調できれば、それなりの説得力は出てくるはずだ。
顧客の課題解決に自社製品が優位であること、これを強調するのがプレゼンテーションの目的であるから、差別的優位性について触れることは自然なことであるが、競合他社やその製品を批判することは禁物で、評価はあくまでも相手に任せるべきである。現場からの支持が得られたということさえ確認できれば十分である。
デメリット表示は、文字どおり欠点をさらけ出すことであるから、出来れば避けたいという意識が働くこともあるだろうが、本当に自社製品が顧客の課題解決に貢献できると確信しているのであれば、リスクを先取りしてプレゼンすることの方が、顧客との信頼関係はむしろ強固なものとなるし、顧客の評価を助けることにもなる。
こうした勇気ある対応が功を奏したと実感している営業マンは多いはずだ。しかし、実際の商談では、そのデメリットを明らかにしたため、成約できなかったという例も確かにあるようだ。だがそれは、もともと顧客の課題解決には不向きだったということであるから、目的に沿った行動であったと考えるべきである。
商談相手に感動を与えるプレゼンテーションをするということは、提案自体が必ずしもパーフェクトであるということを意味していない。顧客の課題解決のためにどれだけ真摯に取り組んでいるかという姿勢に感動するのであるから、デメリットを隠し通すこととは全く違うことであることを改めて肝に銘じなければならない。
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