読む人に合わせた提案書

 提案書は文字通り相手方に提案するわけであるから、読みやすく内容もしっかりしたものであることが不可欠な要件であるが、相手方が企業であれば、提案書そのものが決済者に手渡されるということは考えにくい。通常はこれを直接受け取ったキーマンが稟議書を別途作成し、提案書と共に決裁者まで上げられる。
 したがって、キーマンが稟議書を書く場合の下書きのイメージで提案書を書くのが望ましい。例えば、金融機関に融資を申し込む場合、事業計画などの提出を求められることがあると思うが、その際のイメージが正にこれに当たる。稟議書は上の決裁者に認知されてこそ意義あるのであるから、その稟議書に申込者の意図が反映されなければならない。
 こうした場合、稟議を起こすキーマンとも言うべき担当者が、申込者の心情を汲んでくれなければ、十分な理解が得られないまま稟議内容が拒絶されてしまうかもしれない。営業マンが作成する提案書にも同じことが言える。稟議書を上げるということは、起案者が決済者に対して成約を奨めることであるから、理にかなっていなければならない。
 営業マンは、どんなに魅力ある提案であると自負していても、読む人の立場により解釈のし方に微妙な差があれば、補充のための説明機会は閉ざされたままで結論が出されてしまう。現場担当者には使いやすさ、決裁者にはコストなど読む人の評価軸に合わせた内容を盛り込み、しかも簡潔で読みやすいことが求められる。
 また、昨今はパワーポイントなどのソフトを活用した、ビジュアルなプレゼンテーションを求められることもある。そうした場合は、より臨場感のある説明力が求められることはもちろん、場合によっては、相手のイメーが膨らむことから、詳しい質問攻めにあうということも想定しなければならないので、周到な準備が必要となる。
 いずれにしても、相手に感動を与えるプレゼンでなければ、競合他社に差をつけるのは難しいと考えておくべきだ。御社に対する独自の提案であることを強調する内容であることはもちろん、それを裏づけるオリジナルな資料を作成して添付するなど、顧客の課題解決に向けての並々ならぬ熱意を伝えるものに仕上げなければならない。