提案書は課題解決のための要素が網羅されていることが条件ではあるが、あまり詳細な説明が羅列されていると理解が得られないことがある。提案書の要件は、まず解かりやすいこと、御社に対する独自提案であることを強調したものであること、そして、できるだけ使用場面などがリアルにイメージできれば理想的である。
これらの要件は、文書化すると当然長文になるので、商談の中で繰り返し問題として指摘された部分を忠実にフォローするようにすべきである。そうすることで、改めて身構えなくても、商談の時の話が蘇ることが期待できるが、それでもボリュームが多くなるような場合は、資料として別に作成し添付するなどの工夫が必要である。
提案された企画書を見ると、これまでの商談とはかなり内容が違っていると感じることはよくある。営業マンは商談の時に本音で話すと拒絶されてしまうと思い、お茶を濁す形で相手のペースに合わせてきたため、十分な説明がなされないまま最終提案の場面を迎えてしまったのである。これでは提案以前の問題である。
商談は自社や自分を売り込むチャンスであると同時に、相手の価値観を把握できる最大の舞台である。相手の本音に迫ることができなければ、成約に結びつく提案にはならないのは当然であるのに、機が熟したと勘違いしてしまったのか、それとも見切り発車なのか、なかば気合で提案しているケースがよく見かけられる。
商談におけるコミュニケーションが十分であれば、得意先の経営理念や拘りといったものが、再三話題に上るのは自然のことであるから、この理念に沿った提案であることは、相手に敬意を表する意味においても必要であるが、何よりも、それぞれの立場のキーマンたちが、十分納得できるものであることが不可欠である。
この配慮は、それまで孤軍奮闘している相手に対して詰問攻めしていたキーマンが、これを機会に営業マンをあと押してくれるようになる。つまり、何時しか顧客の上司なり他のキーマンに対して、説得調で話すようになることもある。これが究極の営業活動であり、プレゼンテーションの醍醐味はここにあるといっても過言ではない。
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