面談相手がたまたま話し好きで、話が本題からはずれてしまい全く無関係な話に花が咲いてしまうこともある。そうした話のなかにヒントが隠されていないとも限らないが、ビジネスである以上、時間の配分を考えて行動しなければならないので、話が佳境に入ってきたとしても、延々と付き合っているわけにはいかない。
こうした時に、きりのいいところで適当に軌道修正をするのも営業マンの腕である。このときターニングポイントは二つあり、一つは敢えて話に水をさすことで本題に戻すやり方であるが、これはタイミングを間違えると相手の機嫌を損ねてしまうが、相手も自分の話にブレーキをかけられない状態にあるときには逆に助け舟にもなる。
もう一つは、多少脱線した話になっても、ビジネスと共通するキーワードが飛び出したとき、あるいは、こちらから意図的にビジネスの話に乗り換えるように仕向けるやり方である。このチャンスを捉えるためには、やはり訪問するための準備として話のおとしどころをイメージしてシナリオを作っておく必要がある。
ただし、あまり狭いスタンスで臨むと、相手が話題にふくらみをつける暇がなくなり、極めて事務的なやり取りに終始することになってしまう。結局は顧客の課題を見つけ出すチャンスを掴むどころか、却って今後のコミュニケーションにも影響することになりかねない。こうした状況を修復するのは大変な負荷がかかる。
営業マンにとっては、得意先の課題を引き出すためのヒアリングであっても、相手にしてみれば、単に断るための口実を探すための面談であるという、いわば最悪の組み合わせであることだってあり得る。しかし、こうした取り合わせのなかから情報を収集することで、得意先のプロフィールを明らかにしていくのが営業なのである。
相手の波長に合わせながらも本音を聞きだす。確かに難しいことではあるが、ベテランの営業マンはこうした態勢のなかから着実に中核に迫っているのである。人間の心は市場と似ているところがあり、その異質性を捉えようとするアプローチと共通性を捜す迫り方を使い分ければ、ある程度の輪郭を掴むことができる。
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