最終決済までの流れを確認

 営業マンにとって最初の面談はあらゆる意味で最大のチャンスである。もちろん即決で成約できればそれに越したことはないが、高額商品や生産財などは最終決済に至るまでの手続きが複雑な場合が多く、最初の面談の感触とは必ずしも一致しないことも多いが、それは競合他社にとっても同じ条件であるはずである。
 最初の面談は、第一次審査のようなもので、ここでヌカ喜びする方がどうかしていると考えるぐらいでないと、営業マンは勤まらない。ただ、それまでの手探りの状態から一気に展望が開け、具体的に何をすれば成約に結びつくのかがより明確に把握できる。つまり、再訪問のための大義名分を手に入れたことになる。
 このポジションを生かすためには、まずは競合他社に負けない提案をすることであるが、負けないということは、価格や品質といった一般的な競争条件ではなく、顧客の課題解決の手段としての優位性という切り口で十分なはずなので、プレゼンテーションも総花的で欠点のないものにするというより、自社の強みを強調するのが得策である。
 課題解決といっても、キーマンの価値観や置かれている立場により、解決の手法も微妙に異なるため、複数のキーマンのメガネにかなうことが求められる。そのことを把握し、提案する内容を吟味するチャンスを手に入れたという意味である。さて、このチャンスをどう生かすかということになると、面談の際の会話の中から取り出すしかない。
 ここからが第二次審査であり、顧客が自主的にヒントを出してくれるとは限らないから、率直に聞いて見るしかないが、あまり中核的なことをストレートに聞くと、敬遠されることもあるし、あまりにも獏としたものであればヒントにはならないこともある。ヒャリングの技術が試されるのはこのラウンドに入ってからである。
 ある程度のシナリオをもって臨んでも、相手の対応に翻弄されてしまい、話の主導権を奪われてしまうと、一見コミュニケーションが良好のように見えても、キーマンの存在やそのポジションを把握できなければ、次回に訪問する際のお土産(情報)の選定にも苦慮することになるので、話を軌道修正する技術も研かなければならない。