商談に入る前の雰囲気はその後の展開を左右することもあり、硬い空気のまま本題に入ってしまうのは避けなければならない。一般的には、天気とか景気、スポーツの話題など差しさわりのない話題から入る場合が多いと思われるが、これらの話題とてもあまり具体的な内容に踏み込むのは避けなければならない。
特に、自分の出身学校とかスポーツの趣味、あるいは特定のスポーツやチーム名などを不用意に話すのは禁物である。しかし、あまり一般的な話では、雰囲気を和らげる効果が薄い場合は、室内の装飾や鉢植えなどの話題で気配りの感度をアピールするのもいい。こうして友好的な雰囲気ができたところで会社や自分の経歴を話す。
会社や自分の経歴を話すのは、相手にそれとなく予備知識を与え、自分に対して質問をしやすくする効果を狙ってのことであるが、その他にも警戒心を緩める効果がある。ここまでの段階が順調に進めば、訪問の趣旨を具体的に説明し、どんな課題解決が期待できるかをより詳細に説明する。もちろん、説明に必要な時間についても了解を得ておく。
この話の過程で、相手に質問をする場面が予想されるが、はじめはあまり絞り込んだ具体的質問は避け、回答の自由度を高める質問にしなければならない。例えば、「御社では会計ソフトは導入していますか」という質問は避け、「御社では会計処理はどのような方法で行っていますか」というように幅広いものにするように心がけたい。
どんなに中身の濃い商談であったとしても、相手が友好的に対応する気持ちが欠けていれば、壁に向かってモノをいっているようなもので、あらゆるテクニックも機能することはない。実際に面談してコミュニケーションを深める意義はそこにあるわけで、最初の雰囲気づくりは商談以上に大事であるといっても過言ではない。
同じ商品を販売していても、営業成績に差が出るのはこうしたことと無関係ではない。相手の疑問に答えることは必要条件ではあるが、それだけで成約に結びつくものではないことは、営業マン自身が身を持って体験していることであるが、入り口の部分の対応に問題があることを認識して工夫している営業マンは以外に少ないようである。
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