私的整理ガイドライン?その4

 第1回債権者会議の議事内容は、?債務者による過去と現在の資産・負債、損益の状況と再建計画案の内容の説明、およびそれらに対する質疑応答、ならびに出席した対象債権者間における意見の交換。?資産・負債、損益の状況および再建計画案の正確性、妥当性、実行可能性等を調査検討するために、公認会計士、税理士、弁護士、不動産鑑定士、その他の専門家(アドバイザー)を選任するかどうかを検討し、必要な場合には被選定者を決定する。?一時停止期間の決定。?第2回債権者会議の開催日時の決定。?債権者委員会を設置するかどうか、設置するとすれば、債権者委員の選出をする。?その他必要と思われる事項の決定等である。
 第1回債権者会議において、アドバイザーが選任された場合、アドバイザーは再建計画案の妥当性や実行可能性を調査し、報告書を取りまとめて債権者委員会を通じて対象債権者全員に配布する。対象債権者はこれを基に再建計画案に同意するかどうか判断して、第2回債権者会議に挑むことになるわけである。
 なお、一時停止期間は3ヶ月を超えない範囲とされていることから、第2回債権者会議は、この期間までに開催されなければならないことになるが、債権者委員会は、対象債権者数が多い場合等に組織されることがあり、この場合には、債権者会議の決議事項の一部を債権者委員会に付託することができるとされる。
 債権者会議は原則として出席した対象債権者全員の同意が必要であり、特にこの議事で重要なのは一時停止の期間である。すなわち、第1回債権者会議において、対象債権者から一時停止を追認されなければ、再建計画案の検討が事実上拒否されたことになるので、私的整理手続きは終了することにならざるを得ない。
 また、私的整理ガイドラインには法的拘束力はないので、債権者会議への出席が無かった対象債権者に対して、議決の効力を強制することはできないから、債権者会議において一時停止が追認されても、会議に出席しなかった対象債権者が同意しなかったため、私的整理ガイドラインの手続が困難になった場合にも手続は終了する。