企業倒産の形態?その1

 本稿では取引先企業が倒産した場合の対処法を研究しようとしているわけではないので、企業倒産の形態を詮索しても始まらないように思えるかもしれないが、倒産会社の整理を理解しておくが、企業再生の道を模索する場合の参考になるので、敢えてこの点にも言及することにしたので、今しばらくご辛抱願いたい。
 まず、会社倒産形態を体系的に整理してみると、私的整理と法的整理に分けられる。前者は更に清算型と再建型に、そして後者もまた清算型と再建型に分けられるが、法的整理の清算型には商法の特別清算と破産があり、再建型は会社更生法、商法の会社整理、民事再生法などがある。以後これらについて個別に内容を見てみよう。
 私的生理による場合は、裁判による手続きではないので、普通弁護士などの主導により債権者と協定を締結することで倒産処理をする方法である。債権者集会の場で債権者数名からなる債権者委員会を設け、債権者委員会と再建のための交渉が行いながら手続きを進めることが多く、再建方法を柔軟に策定できるメリットがある。
 この方法は比較的規模の小さい法人や個人の場合に選択される方法ではあるが、法的拘束力があるわけではないので、再建案に同意しない債権者が法的措置を講じることになれば、再建が失敗する可能性もある。しかし、法的手続きによったとしても、債権者が納得する再建案の策定は不可欠である以上、再建案の内容しだいであることには変わりない。
 この方法のメリットは、経営者が従前のままであることを前提にしている場合が多いことと、手続きや成立条件も柔軟性があることから、法的手続によるよりも迅速な再建が期待できる。もちろん、再生計画が認められるかどうかは、経営者の経営力や企業価値の認定など多様な価値判断に委ねられているので、必ず再生できるという保証はない。
 このシリーズでは、中小企業が私的整理(任意生理)を目指す場合の留意点、あるいは企業価値のとらえ方、それを計画の段階でどのように表現するか、企業再生に最も相応しい計画の立て方、債権者への説得の仕方などについて、再生事例の紹介を含め詳しく論述することを大きなテーマとして取り組むつもりである。