以前にこのブログを通じて、自社の経営状態をチェックすることで危機管理する手法を紹介した。その時のチェックポイントは、企業が経営活動により生み出す付加価値とその構成要素である営業純益、人件費、減価償却費、賃借料、租税公課、支払利息の6つに着目し、ここから発せられる信号を正確に読み取るというものであった。
そのシリーズは、主に信号の解読に際しての留意点や考え方を中心にして、幾つかの事例も交えたものであったが、読者からの反響は想像以上でいまだにアクセス数は上位にランクされている。実際に地元の企業でもこうした企業再生の相談が圧倒的に多いことも考え合わせると、かなりの中小企業に共通した問題であることを改めて実感している。
そこで本シリーズでは、実際に企業再生を目指している企業の一助とするために、実際の再生事例も交えながら、自社の企業体質に合った再生手法を考え行きたい。それには、まずいきなり再生手法から入るのではなく、企業再生というものの位置づけを明らかにし、その内容を把握した上で、自社への適応を考えるというプロセスで進めたい。
第一回目の本日は、倒産というものの正確な定義を考え見よう。「倒産」とい言葉は厳密な法律用語ではなく、法律上からいえば破産にあたるものであるが、一般には「破産」という言葉はあまり使わない。したがって、「破産」とは、債務者が自己破産を申請したり、破産宣告を受けたときに、裁判所が認定したときに使われる言葉である。
ここから想像されることは、債務返済能力が基準であることは間違いないが、その額や割合に対する定義あるわけではないということである。つまり、債務過剰イコール倒産ないし破産ということではなく、いわば信用が破壊されたと認定されたときの状態をいうのである。ここに再生の芽があることに注目するのが本稿の狙いである。
一般的には、債務者が振り出した約束手形や小切手が不渡りになり、銀行取引が停止になった時(事実上倒産)、自ら破産手続きや会社更生手続きなどの法的手続きを裁判所にもう立てした時、債権者に財務状態の悪化を告げて全面的にその処置を委ねた場合などが倒産といわれるものである(東京商工リサーチ)。
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