これまでの議論では、上司が一方的に目線を下げて部下と対峙しなければ、参画方式はうまく機能しないのかと疑問に感じた管理者も多いのではないだろうか。なるほど、部下の意見を尊重し、共同で意思決定をすることを理想としているこの制度は、部下からもたらされる情報を重視するため、そうした響きの説明になりがちであった。
しかし、上司が高圧的に部下の意見を押し込めてしまう危険性ないしデメリットについて述べたものであり、上司の立場自体を否定的に捉えているものではない。実はこの辺が大変難しいところで、上司が萎縮してしまうと部下はとめどなく自己主張を拡大してしまう。これでは、上司の目標・方針はあってもなきが如くである。
そもそも、共同参画方式をとる目的は、上司の目標・方針を部下がよく理解し、両者の知恵と行動で達成するためのものであり、どちらかの意見が通るという論争そのものに値打ちがあるわけではないのである。こうしたアンバランスな会議は、よく見かけられるだけに、現実にはなかなか理想的な参画方式にはなりにくいのが実状である。
例えば、ある企業の場合は、上司の権限(立場)が強すぎるため、あらゆる会議は上司主導で進められ、議題は簡単に結論付けられてしまう。決定が早いことは望ましいことなのだが、参加した部下たちは上司の威厳に萎縮してしまい、殆ど意見を述べることなく会議が終了してしまうといった状況が常に見られた。
この場合、部下たちには意見がなかったわけではないので、会議の決定には不満を漏らすものが多いのだが、それなら何故意見を述べなかったのかと問いたいところであるが、現実には無理なのである。これが目標・方針に関する共同参画会議であったとしたら、会議は全く意味を成さなくなることは目に見えている。
こうしたイメージで上司を想定し、是正措置をとうとうと述べているので、部下を擁護した議論に聞こえるかもしれないが、最終的に決定するのはあくまで上司であるというのが厳然たるルールである。上司の目標・方針はそのまた上の上司の目標を戴したものであるから、これを合理的に達成するための議論であることを忘れてはならない。
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