リーダーのタイプと職場満足度?その3

 職場満足とは、会社の目標を達成するために、メンバー一人ひとりがそれぞれに課せられた役割を果たすことで味わうべきものであり、自己責任を回避して被害者意識を募らせているなかでは、決して生まれるものではない。つまり、自己実現を図り職場満足を実感するのは、個々の従業員自身に課せられた課題なのである。
 人によっては、また場合によってはリーダーとの思考様式の違いが、業務遂行上の妨げになることはあり得ることだが、組織の目標という点では一致しているはずなので、これが決定的な障害になるというのもおかしな話である。何故ならば、結果に対する責任は、お互い自分以外にとりようがないからである。
 リーダーである上司もその上の上司に対してはフォロワーである以上、管理者として設定した(あるいは課せられた)目標を達成することが使命であり、自分の職場に対する満足度を高めるためには必須の条件であるが、そのフォロワーであるメンバーもまた同じ立場であると考えれば、同じベクトルで業務を遂行できないわけがない。
 こうした職場環境にあると感じている社員は、管理者の中にも従業員の中にも同じぐらい存在している。これは決して偶然ではない。「嫌悪の報復性」「好意の互恵性」とい言葉があるがまさにその通りで、お互いに嫌いだと全ての行為が容認できないという性質が、決定的な対立軸を形成してしまい、水と油のような関係になってしまう。
 日本でも俗に言う、「坊主にくけりゃ袈裟までにくい」という諺があるように、まるでばい菌のようにお互いに毛嫌いする。こうした状況は外部から見ると、火事で家が燃えているのに、出火の責任をなすりあいしているようなもので、今なすべきことは何かという基本中の基本をすっかり忘れているからにほかならない。
 職場に対する満足度をより一層高めるためには、自分のポジションをまず守ることで、相手の協力を誘うのがセオリーであり、相手が協力的でないから何もできないというのは、単なる言い訳でしかない。組織の目的を達成するために必要なメンバーが集っているという原点に返らなければ、自分ばかりではなく家族の満足度も低いものになる。