リーダーシップ評価基準

 バランススコアカードの4つの視点とそのバランス関係らか、職場におけるリーダーの役割に迫ってみると、次のようなリーダー像が浮かび上がってくる。まず、リーダーはどんな目的のために何をしなければならないかという、全体の仕事量と質を把握していることが求められる。そしてこれをメンバーに理解させることも大事な要件である。
 次に重要なことは、職務を遂行する手順の大枠をデザインして、メンバーに示すとともに、細部にわたっての手順・方法についてはメンバーの共同参画により決定することである。これはリッカートの連結ピンの考え方そのものであるが、時間の制約もあることを考慮すると、メンバーのアイディアないし意見を素早く集約する能力も要求される。
 すなわち、この部分がバランススコアカードの4つの視点とそのバランス関係の理解度の高さの問題でもある。いずれにしてもメンバーの協働が不可欠である以上、それぞれ細分化されたテリトリー内においても、小さなリーダーシップが発揮されなければならないから、統括するリーダーには、メンバーを動機づける機能も備わっていなければならない。
 しかも、こうした仕組みを構築して効率的でかつ効果的であると思われる組織を動かしたとしても、成果に結びつくとは限らないのだが、リーダーに課せられたものである以上、財務的視点からの評価に耐えうるような成果達成は絶対条件である。これは一見すると、酷であるようにも思えるが、社会システムからいってやむを得ないことである。
 会社という組織の仕組みからすると、経営者は株主から信託された受託層であるから、成果を期待されていることは明らかであり、経営成績が好ましくなければ、更迭されるというのが基本原則である。したがって、経営者から信託されて部門を預かっているリーダーは、経営者に対して成果を示さなければ、何らかの責任を問われるのは当然である。
 しかし、実際にはリーダーに過大な責任を課している場合もある一方で、成果に対する責任も曖昧な場合がある。リーダーに自覚を促す意味でも、部門ごとの成果を事前に明確に示さなければ、責任の所在も不明瞭になってしまう。バランススコアカードの考え方を活用することで、リーダーシップのあり方を再考したいものである。