好業績をあげる人の特徴を探る

 企業に限らずあらゆる組織にとって、永遠の課題は設定された組織目標を効果的かつ効率的に達成するように、従業員が一丸となって行動するであろう。ごく一般的にいって、好業績を上げている組織は、トップのリーダーシップの下、組織力がしっかり発揮され、成員の能力も高いと評価されることが多いのは当然である。
 私たちコンサルタントは、企業からよく組織の活力と従業員の能力アップを狙いとする教育研修を請け負うことがあるが、この場合、組織の活力といっても、組織は人間の集まりである以上、従業員の能力ないしやる気を引き出せば自動的に組織は活性化し、好業績をもたらすことになるであろうという構図を想定していることになる。
 残る問題は、トップのリーダーシップであるが、もしそこに問題があるとすれば、どんなに教育・訓練を施しても組織の活力は向上することはないと思われる。確かに、トップの行動規範が成員の結束力を高め、好業績をもたらしていると実感できる企業は、教育・訓練にも熱心であるという特徴があるように思われる。
 組織の活力に焦点を当ててみると、組織の目標、リーダーシップ、組織の仕組み(ルール&制度)、従業員の能力、動機づけなどで説明できるだろうが、現実には、活力のある組織を理論的に作り上げていくプロセスは確立されていない。というよりは、一般的にどのような組織が理想であるかという定義があるわけではない。
 いずれにしても、人が集まって成り立っている組織の活力を問題にする以上、従業員の能力や行動を抜きにして業績を語ることはできない。そこで、どうしても話題にしなければならないのが、コンピテンシーという理論であるが、これがまた、諸説が入り乱れ一元的に捉えるのがきわめて困難であるというのが本音である。
 ただ、この理論が単なる流行語ではなく、人間の能力や行動と企業業績に深く関わっているという意味で、科学的行動の解明にかなり近づいているとみられることから、これを単なる言葉として丸呑みするのではなく、組織の現場に適応させてみることで検証し、この理論の有用性を探ることの意義は大きいと思われる。