消費者が求める問題解決策?その1

 従来の商品分類は、商品の管理を効率的に行ううえで必要であるという売り手側の都合、買いたい商品がきちんと整理され分類されているという買い手側の都合で括られていた。また、商品を系統的に研究するための分類や統計調査(行政)上の分類という、主に3つの理由から組み立てられていたと考えられる。
 したがって、その分類基準も、消費財、生産財といった購入レベルを起点に細分化されたため、消費者行動による分類も日常食品、日用衣料品、生活関連雑貨といった生活必需品と、ファッショ衣料、教養・余暇関連消費といったような趣味・余暇関連商品に分類され、その特徴から最寄り品、買回品、専門品などと称されていた。
 また、各種カテゴリーによる分類も、ライフスタイルによる分類(DIY商品、健康関連商品)、消費上の特性による分類(機能重視型商品、価格重視型商品、感覚重視型商品、メンテナンス商品)、季節商品(野菜・果物、正月用品)、市場による分類(ベビー市場、ヤング市場、アダルト市場、シルバー市場)、ライフスタイルによる分類などであった。
 このようにカテゴリーによる分類の重要さが認識され始めてきたとはいうものの、自分らしさに目覚めた消費者にとってはまだまだ不十分である。ライフスタイル対応型の品揃えというのは、顧客が自分の生活シーンをイメージしながら、自分の拘りで選択したいと願う心に応えるものでなければ不十分ということになる。
 ここまで顧客の個客化が進んでくると、品揃えをする店舗の側としても戸惑うことになるのは当然である。そうした産みの苦しみを乗り越えて、出現したのが「セレクトショップ」とい業態である。これはイギリスで導入された「ザ・コンランショップ」に代表されるように、ショップオーナーの個性、好み、趣味などによる品揃えである。
 つまり、思いっきり個性を全面に出し、こういうライフスタイルに賛同する人この指とまれ、と訴えかけるマーチャンダイジングのスタイルなのである。デパートなどでもこうした方式を次々導入しているところを見ると、ライフスタイルのある共通性がマグネットになり、マイショップの意識が強まるということなのかもしれない。