商品やサービスの供給が主体であった一時期は、供給力を増強することに重点が置かれていたので、より品質のよい製品を製造し効率的な方法で消費者に届けることが課題であった。したがって、この時代のマーケティング戦略はよりよいものをより確実にという、モノやサービスを流すことに重点が置かれたものであったように思われる。
しかし、近年は技術革新の進展とあいまって、各企業が市場に提供する製品の品質は殆ど同レベルに達してしまったため、より競争を意識した差別化が大きな戦略課題として位置づけられるようになってきた。つまり競争戦略によるポジション争いが激化し始め、もはや同質性の供給では低価格以外に戦うすべがなくなってしまったのである。
こうした時代背景が、「ニューマーチャンダイジング」という形で「新」「面」「珍」という方向に傾斜させているもので、スタンダードなマーチャンダイジングが決して廃れたわけではないか、顧客の情報発信力が格段に向上している現在、双方向のコミュニケーションの流れが円滑に保たれていなければ、本来の機能も果たせなくなっている。
前述のように、「新しい」ということは必ずしも物理的なことのみを指しているものではなく、提案の方法や新しい使い方の提案、ライフスタイルの新提案など多様な切り口で、新しさを定義することが小売業に課せられたマーチャンダイジングなのである。つまり、クラスター性をどのような基準で設定するかで品揃えも異なるのである。
その証拠に、GMSのかつての戦略は、同質性を前提とした低価格競争が主体であったが、供給力が平準化してくると、がせんカテゴリーキラーが台頭し始め、規模のメリットを脅かされるようになってきた。こうした状況を重く受け止め、GMSはカテゴリーマネジメントにシフトした戦略に転換していると見られる。
しかし、いずれの戦略も大きな視野で見れば、同業態による同質化競争という側面はぬぐいきれないためか、差別化の程度が消費者には十分伝わっていないように思われる。こうした間隙を縫って、新伝統型ともいえる業態も出現し始め、強烈な差別化により顧客の心理を捉え業績を拡大している成功企業も現れている。
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