変革を迫られるマーチャンダイジング?その3

 今日、新製品と銘打って店頭に並べられている商品は数多いが、「新商品」の定義についてもう一度考えてみる必要がありそうだ。はっきりした定義はもちろん存在しないのだが、従来から、「新しさ」について、?既存製品との対比による新しさ、?時間的な新しさ、?販売浸透水準による新しさ、?消費者が知覚する新しさなどの基準が使用されてきた。
 また、Thomas S.Robertsonによれば、新製品を定義づける決定的な要因は、それが確立された消費パターンに及ぼす波及効果が連続的であるか不連続的であるかによって、新製品を類型化している。基本的に新製品は、科学上の発明・発見に基づく真に革新的でユニークなものであるが、既存製品の改良や新用途の開発も新商品として扱われることが多い。
 小売業の品揃えないしマーチャンダイジングという立場から、「新しさ」を決めるためには、必ずしも科学的で革新的であるということが問題ではないことは明らかである。要は消費者の感性に「新しい」と認知されるかどうかが新しいことの重要なファクターなのであり、ベースとなっている基本機能を全面的に改定することではない。
 例えば、新しい古着店というコンセプトショップもあっておかしくない。このように考えれば、むしろ定着している基本機能を残しつつ、モデルチェンジをすることの方が現実的で圧倒的に多いように思われる。パソコンソフトや携帯電話なども例外ではなく、これらはいずれも基本的製品のロングセラーを狙ってのものである。
 どんなに技術革新が進歩しても、新製品市場、リメイク市場、中古市場が一体となって全体市場を形成していることを思えば、消費者の親のニーズもその市場環境の中で育っていることになるので、この場合の消費者側からみた「新しさ」とは提供場所や提供方法とのマッチングも重要な評価要素ということになると考えられる。
 これまで私たちは、あまりに「新しさ」を強調するあまり、古いものは悪であるように捉えていたことを反省しなければならない。例えば、ロングテール(長い尻尾)なる概念があるように、「新しいもの」の犠牲になって切り捨てられてきた、小ロットのニーズをすくいあげるリ・マーケット発想も「新」「面」「珍」の要件を十分満たしている。