カテゴリーマネジメントの実施?その2

 市場目標と財務目標との整合性をチェックし、具体的な目標値を設定すると同時に市場が確認されると、これを着実に実施し成果を上げるためのマーケティング戦略を構築するラウンドに移行する。この段階は、いうなればマーケティング戦略のサブシステムであるインストアマーチャンダイジングの実行計画として位置づけられる。
 すなわち、店舗のレイアウトや動線計画などにより、集客力を増加させる戦略、リピート率を高める、購買品目を増やす、高額単価の商品を開発する戦略、収益力のある商品を開発する戦略、専門性をより高める戦略、購買時期を早めるような刺激戦略、総合的に店舗イメージを高めるCI戦略などが決定される。
 もちろん、店舗コンセプトやカテゴリーの提供に相応しい商品供給戦略もセットされなければならない。カテゴリーマネジメントこそバリューチェーンを形にしたものであるから、この裏づけとしてのサプライチェーン・マネジメントがこの中に組み込まれているはずである。それがここでいう商品供給戦略である。
 まず、重要視されるのは、自社の経営理念あるいはストアコンセプトに適合した供給メーカーであることが第一条件である。そうした枠内において、低コスト、高品質、信頼性が確保できる調達戦略、発注・支払などの取引戦略、売場や販売方法に適した商品取扱い戦略、納品ロット・リードタイム戦略、在庫管理システム戦略などである。
 小売業は消費者と直接取引きをする最前線にあるため、マーケティング戦略に即したカテゴリー戦術は流動的で柔軟であることが特に求められる。つまり、実際の店頭における販売活動では、消費者の購買態度や購買行動ばかりではなく、同業他社の戦術変更にも素早く反応することが強く求められるからである。
 実際の店頭活動におけるカテゴリー戦術は、品揃え、価格設定、インストア・プロモーション、陳列・棚割りといった要素が重要であろうが、これは、適正な商品、適正な場所、適正な時期、適正な数量、適正な価格というマーチャンダイジングの5つの適正に、コミュニケーションの適正を加えた要素であることはいうまでもない。