カテゴリーマネジメントの実施?その1

 まず、カテゴリーを構成する製品を定義し、対象消費者に提供する便益またはソリューションを具体的にして名称を与えなければならない。すなわち、カテゴリーの構造を設定するわけである。定義されたカテゴリーは、それぞれ戦略的役割をもっていなければならないから、その役割を明確にしておくことが必要である。
 カテゴリーの役割は、目的性、日常性、機会性、利便性といった切り口で分類されることが一般的である。目的性とは、このカテゴリーは、他の店では絶対に購入することができないと消費者が感じるカテゴリーである。日常性は、この商品を購入するのは、この店舗が一番相応しい(競争力がある)と感じるカテゴリーである。
 機会性は、この店舗で購入することで、消費者は一番の価値を手に入れることができる(価格ばかりではないトータルな経済性)カテゴリー。利便性は、ワンストップショッピングの利便性を提供し、店舗のイメージアップを図る。つまり、消費者がコンビニエンスコストを負担するので、利益貢献度もある程度高いカテゴリーである。
 次の段階は、現在のカテゴリーまたは新たに計画したカテゴリー間のバランスを評価し、カテゴリーに設定された目標に対するギャップを測定してみる。つまり、カテゴリーユニットの組み合わせを想定した消費者のニーズの束と突き合わせてみるわけである。しかし、この段階では市場目標の達成という視点での評価が主体である。
 カテゴリーを最終的に評価するためには、市場目標と財務目標との整合性という視点は欠かせない。すなわち、目標値の設定と評価指標を確認しなければならない。評価対象者である消費者(家庭への浸透度、カテゴリーの購買、満足度、購買頻度)、財務(カテゴリーの売上高、成長率、総収益、粗利益率、売場効率)といった視点からの目標設定である。
 同時に、市場(マーケットシェア、カテゴリー内シェア、小売業者のシェア)、生産性(供給日数、在庫金額、納品率、リードタイム、売り場面積あたりの総利益)などにまで踏み込んで検討される。以上のような視点から評価指標を設定し、消費者、財務目標、市場目標、生産性をチェックする仕組みに仕上げるのである。