カテゴリーマネジメント?その3

 カテゴリーマネジメントを効果的なものにするため、ここではカテゴリーという概念を整理してみたい。商品の品揃えに関して、商品ライン、商品グループ、商品クラス、商品カテゴリー、商品アイテムといった用語をよく耳にするが、これらはいずれも相対的概念であるだけに、相互の関係を定義的に押さえるのは難しい面がある。
 商品ラインとは、一般的にいって、?顧客の同一種類のニーズを満たすという点で関連性が深い(健康と美容関連商品)、?一緒に使用される(リビングルームの家具や調度品など)、?同じタイプの顧客層によって購買されたり使用される(男性用、女性用、子供用など)、といったように相互に何らかの関連をもっている商品グループのことである。
 しかし、前述のように相互の関連性は総体的なものであり、商品ミックスを構成する絶対的な分類ではない。そこで、この商品ラインをさらにいくつかのサブラインに分割する必要が生じる場合がある。例えば、商品ラインを3つに分解する場合について考えてみると、商品グループ、商品クラス、商品カテゴリーに分解できる。
 まず、商品グループは、最終使用状況が共通する商品の広い関連性をもったライン(家具、家電製品、家庭用品、衣料品、スポーツ用品、食料品など)である。次に商品クラスというのは、商品グループ内のより密接な関連性をもったラインで、消費者の特定ニーズ、使用パターン、購買行動がより明確に識別される(男性用衣料、女性衣料、子供衣料)。
 この次に位置づけられているのが、商品カテゴリーであり、これは、商品クラス内の特定商品ラインで、たとえば、男性用衣料の中のスポーツ・シャツと正装用シャツのラインとか、化粧品の中のリップスティックとアイシャドーのライン、リビング用家具の中のソファーとテーブルのラインなどがその例である。
 一方、商品アイテムとは、商品ラインを構成する個別の呼称をもつ商品の特定の型であり、ブランド、スタイル、サイズ、カラー、素材、価格、それらの組み合わせによって識別可能なものである。つまり、同種の商品でも、ブランド、包装デザイン、内容量、価格などが異なれば、最小単位の商品区分である別のアイテムということになる。