チェーンストアの経営革新?その2

 店舗コンセプトの革新に伴って、変革が加速しているのが店舗規模、立地、店舗寿命、ローコストオペレーションなどの革新的取り組みである。まず、店舗規模については、外資系の上陸に伴いトイザラスを始めとする大規模な店舗が具現しており、当初カテゴリーキラーとしてデビューした業態が圧倒的な品揃えを武器にGMSに成長している。
 国内の企業もこれを迎え撃つべく、大型カテゴリー売場による差別化戦略が次々展開され、専門店とGMSやカテゴリーキラー、アウトレットを核にしたショッピングセンターが集客力を増している。しかし、これとても消費者から長期的に支持され続ける保証はなく、欧米では10?15年を限度にスクラップ&ビルドが行われている。
 店舗のスクラップ&ビルドが重要な戦略となっているのは欧米だけではなく、ユニクロも3年間で110店閉鎖し350店を新規出店することを打ち出している。このように店舗年齢の若返りがチェーンストアの経営戦略において重要であることが明らかになった以上、同業態間の新規出店競争はますます加速されることは避けられないであろう。
 中小規模店にも同様な波は確実に押し寄せ、この流れに乗って業績を伸ばしているところも見られるなど、店舗の劣化はハード面の減価償却速度以上に速いスピードで進行している。店舗年齢と経営革新は一見無関係のようであるが、現実にはこうした動きは加速されつつあることを直視しなければ市場活動を維持できないようである。
 こうした動きは、当然ローコストオペレーションの革新を迫ることに繋がるため、店舗コンセプト設定の段階から、プライスラインを絞り込み、シンプルな売場構成や商品管理体制を強化する一方、仕入ソースをグローバル化することで競争力を高める動きも活発化していることから、システムの設計・運営体制が問われることとなるであろう。
 以上のように、チェーンストアの経営革新は店舗コンセプト、店舗規模、立地、店舗年齢、ローコストオペレーションといった革新がキーワードとなる。しかし、どんなに店舗革新が進行しても、消費者が主役であることには変わりはないわけであるから、店舗コンセプトに沿ったカテゴリーユニットのミックスが勝敗を分けることになろう。