中小小売業が生き残るためには、専門店やGMS、カテゴリーキラー、アウトレットを核にしたシッピングセンターの動きを注目してみることが重要である。そのため、ここではチェーンストアの革新の動きを検証してみたいと思う。着眼点は、店舗コンセプト、店舗規模、立地、店舗の寿命、ローコストオペレーションなどである。
まず店舗コンセプトについてであるが、従来どこの町にもあった「乾物屋」「金物屋」「自転車店」「米屋」「酒屋」「魚屋」といった業種は、ことごとく衰退している。つまり、これらの店で扱われていた商品は、今や別の業態の店で販売されるようになっており、その方が消費者にとって便利であるという理由によるものである。
こうした現象は、「モノの分類」から「TPOS分類=時、場所、場合、スタイル」を組み合わせて、新たな提案をするという明確なコンセプトが求められるようになっている、ということを意味しているわけである。例えば、旅行という生活シーンを思い浮かべれば明らかなように、TPOSを網羅した品揃えが必要である。
何時、どこへ、何のために、どんなスタイルでという組み合わせと旧来の業種で取り扱っていた商品を何らかの基準でアソートメントしなければ、消費者は多くの店を買いまわることを強いられる。そればかりか、訪問する店舗ごとに旅行の目的や滞在日数、気候状況その他について事細かに説明しなければならなくなるであろう。
こうした場合、もし登山を目的としているとすれば、「アウトドアライフ」をコンセプトとしている店を訪問すれば、登山用のリック、トレッキングシューズなどもワンストップで買い揃えることができる。ビジネスを目的とした旅行であれば、ビジネスに必要と思われる商品を中心とした品揃えの店(コンセプト店)を選ぶことになる。
魚は魚屋さんで買わない、タマゴは乾物屋さんで買わない、酒も酒屋さんでは買わなくなったが、いずれも食べなくなったわけでも飲まなくなったのではない。とすれば、どのような理由でどのような店で購買しているかを掘り下げて見る必要がある。こうした思考を続けることで行き着いたのが店舗コンセプトの革新である。
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