製品マーケティング・プログラムが着実に実施され、事業目標が達成されたと言うことはプログラムの推進が成功要因の連鎖によって支えられていたということである。逆に言えば、因果の接合部分で生じるリスクを回避できたということであるから、予想されるリスクをコントロールするだけのパフォーマンスがあったと評価できるわけである。
実行計画の節目節目で進捗管理を適切な処理を行うことがマネジメントである以上、リスクと期待値をあらかじめ計算しておき、因果の連鎖の中に織り込んでいることが不可欠な要件である。言い換えれば、製品マーケティング・プログラムを実施するということは、ある意味でリス管理と表裏一体であることを認識する必要がある。
リスク・期待値は各引数(変数)とリスク・期待値発生確率の積和で表現できるから、この式の引数(変数)を少なくすることでコントロールスパンを圧縮するか、リスク発生の確率をコントロールすることや、期待値を高めることがマーケティング管理者の大きな役割であるから、リスクファクターと期待ファクターを予測しておくことが前提である。
例えば、糖尿病予備軍の患者の場合、肥満度を10%改善すれば3年後に糖尿病を発症する確率は45%から20%に低下するが、逆に肥満度が10%増加すると、発症率は45%から55%に高まる。この統計に着目した医療費支払の増大で赤字に悩む企業健康保険組合は、病院や医療カウンセリング機関と提携して、社員の健康指導に乗り出したわけである。
一方期待値を高めるためのコントロールは、マーケティングや広告宣伝の世界における環境因子である消費者の購買行動や消費者態度の変化などに代表される。これらの因子を前提に期待可能性を高めるためのプログラムがあらかじめセットされ、コントロールの対象となるわけである。いわゆるプロモーション・ミックス管理がこれに当たる。
製品マーケティング・プログラムの進捗状況を測定するということは、測定システム以前にコントロールシステムを整備しておかなければならないということを意味している。つまり、因果の連鎖を支えているロジックツリーが正しく論理的な思考の連鎖によって組み立てられているかどうかが最大の問題なのである。
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