収益性のチェック

 企業の経営成績を測定する最終的決め手は、総資本対経常利益率あるいは営業利益率である。したがって、この一翼を担っているともいえるマーケティング・プログラムは、当然の当該会計年度内における売上創出、製品原価、マーケティング諸費用が効率よく連動し、全社的利益に貢献していなければ評価されない。
 これを測定する手法は企業によって様々であるが、マーケティング・プログラム推進のために投下された諸費用をプロジェクトに投下した資本とみなせば、投下資本と売上、利益(率)との関係で評価するのは自然なことであるから、マーケティングROIを設定し、これをハードル率とした評価軸を設けるのが妥当である。
 この場合のマーケティングROIを測定する要素は、マーケティング・プログラムにより得られる売上高、マーケティング・プログラムの限界利益率、マーケティング・プログラム費用である。これにより、そのマーケティング・プログラムと投下した資本の関係を測定して利益貢献度を測定するわけである。
 中小企業の場合は特にマーケティング部門を設けていることは少ないかもしれないが、マーケティング志向に基づいた経営を実践しているとすれば、製品プロジェクト自体がマーケティング・プログラムの対象であるあるから、費用対効果という観点からも収益性をチェックすることは何等矛盾したことではないはずである。
 マーケティング担当者は、一つのSBUを原則とした製品分野をカバーしているとすれば、マーケティング・プログラムが目指している収益基準に照らし合わせて、収益性をチェックすることが必要不可欠であるのに、現実はかなり甘い運用がなされている。すなわち、マーケティング・プログラムは一つの事業であるという思考が欠落しているのである。
 マーケティング・プログラムは会計年度と必ずしも対応していないので、一会計年度で区切った評価は適当ではないという批判もあるが、経営戦略ないし長期経営計画の中に組み込まれている以上、そうして議論は単なる詭弁に過ぎず、収益性の確保をマーケティング・プログラムの中核に据えた考え方はどんな場合でも欠かせない。