部分最適と全体最適の整合性チェック?その3

 SWOT分析により機会と脅威、強みと弱みを対応させ、最適な収益機会を捉えているかどうかが評価対象となる。ここで重要なことは、機会と脅威、強みと弱みをどのような視点で捉えているかということと、客観的な経営指標(自社の経営活動で収集した1次データ)と業界のデータを客観的に比較しているかどうかである。
 SWOT分析はいまどきの経営コンサルタントであれば、知らない人がいないポピュラーな分析手法であり、現状を整理するには有用な手段であるが、ここから一気に自社の差別的優位性を見つけ出すには不十分な分析である。といっても、分析手法に欠陥があるのではなく、これを活用する分析者の認識不足が問題なのである。
 例えば、SWOT分析を用いて、市場の機会と自社の経営資源の強みを対応させ、新たな収益機会を探り出し、これに基づいて経営改善計画を提案している場合をよく見かける。これが功を奏して、経営が上向くのであれば分析方法あるいは提案をあれこれ批判する必要はないのであるが、ことはそれ程簡単ではないようである。
 ここから感じられることは、提案者の見識の甘さもさることながら、自社の現在のポジションを測定していないことがまず気がかりである。すなわち、機会と脅威、強みと弱みとは相対的概念であるから、競争市場の地位を抜きにしては語れないはずなのに、なかば恣意的とも思える解釈で差別的優位性を特定していることである。
 はっきり言わせてもらえば、自分が得意だと思っても競争相手はもっと得意であれば、勝てるはずがないという極めて当たり前の理屈を見逃しているのである。冷静に考えれば、それ程簡単に市場の機会や自社の強みは見つけ出せるはずがないのに、功をあせってミスリードしてしまうことの恐ろしさを知らなければならない。
 逆に言うと、明確な切り口により自社のポジションさえ明確にできれば、一つのSBUとしては魅力に欠けていたとしても、これを統合して個別のマーケティング戦略で対応できる可能性はあり得る。この場合はターゲット・セグメントにおける参入障壁は高いわけであるから、目標達成に向けての取り組み課題も明確になる。