部分最適と全体最適の整合性チェック?その2

 製品マーケティング・プログラムでは、マーケティング・ROI分析やマーケティング・コスト分析によって計画と実績の差異を測定することでプログラムの活動評価を行うのが定番である。しかし、企業の長期戦略の単年度計画としてみた場合、必ずしもこれらの数値が客観的な評価としては適切ではないこともあり得る。
 つまり、長期的視点で見れば、当面は個別製品の採算よりも将来に向けた市場展開への足がかりといった意味合いが強いかもしれない。そうした場合、一見客観的とみられる評価指標のみによって判断されると、プロジェクト組織および構成メンバーのモラールが急激に低下してしまう虞があることに配慮しなければならない。
 新製品の導入時にはゼロベースで評価できるので、製品計画の根拠が明確であれば比較的評価軸はぶれる懸念は少ないが、多くの製品を市場に投入している場合は、製品のライフサイクルがことなるので、どうしても一製品の収益性やシェアに目が向いてしまいがちになるので、部分最適と全体最適の整合性を評価する軸が必要である。
 上記のように製品マーケティング・プログラムが、客観的に評価される基準になっているかどうかがチェックされると、今度は事業領域の適正性をチェックしなければならない。事業領域とは、どんな顧客集団の、どのようなニーズに対して、どのような方法・技術で対応するのかということであるが、それだけでは不十分である。
 この3次元の枠組みについてそれぞれの次元の範囲を決めなければならないからである。例えば、顧客集団については、国内なのかそれともグローバルな世界を対象にしているのかなどである。つまり、この3次元のベクトルの長さを決めなければならない。さらに、このベクトルが決まると、これを細分化するという行程が待っている。
 ただし、製品の性格や企業規模から全方位型のマーケティングを展開する戦略を選択するのであれば、細分化する必要はないかもしれない。しかし、一般的には、広い市場を対象にする場合は、製品に対するニーズ自体は変わりがなくても、気候や宗教その他の地域の特性によりマーケティング・ミックスが異なる場合が多い。