ここでいうマーケティング・プログラム監査とは、特定の製品を販売し収益を得るために策定され実施されるマーケティング・プログラムで、しかも当該会計年度内に実施されたものを対象としている管理的視点からの監査である。したがって、企業ブランドのマーケティング・プログラムのような会計年度を跨ぐような企業戦略とは区別される。
つまり、マーケティング戦略のなかに組み込まれた、マーケティング・ミックスに配布された予算と製品の販売との因果関係を明らかにすることを目的としているため、製品(ラインなどの幅広い意味で)やブランドごとに設定したマーケティング・プログラムを監査するという特徴があり、次のような2つのステップで進められる。
まず、あらかじめ設定されたマーケティング売上公式やチェックリストにより、売上の現状と拡大余地を確認する(売上創出力を評価する)。次に、売上創出力を評価することにより、マーケティング・プログラムの内容が適切なものであることを確認するとともに、プログラム実施の妥当性を精査する(製品プログラム自体の精査)。
売上創出力は次のような公式により求める。[売上創出力=プロダクト・ミックスの相対価値×ターゲット到達人数×顧客化率×会計年度内の購入頻度±パイプラインの変化]。ここで、「プロダクト・ミックスの相対価値」とは、合計売上高を合計数量で割った平均単価のことである(特定の製品を対象にする場合は売上単価である。
「ターゲット到達人数」とは、当該製品を認知しており、それにアクセスできる人の数のことである。つまり、購入しようと思えばいつでも購入できる状態にある人をいう。「顧客率」は、これらの人の中で、今年度中に一回でも当該製品を購入したかあるいは既に使用している人の割合であり、いわば既存の顧客と見込み客の合計である。
「会計年度内の購入頻度」とは、(ターゲット到達人数×顧客化率)が会計年度内でリピート購買する数であるが、製品の性質(耐久消費財、消耗品など)にもよる。「パイプラインの変化」とは、卸売業者と小売店に存在する在庫(市場在庫)の当該年度期首と期末の変化のことである(在庫の積みあがりは消費者の購買可能性の高さの反映である)。
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