ここで整理しておきたいのが、マイケル・ポーターの「ファイブ・フォーセス分析」とジェイ・バーニーの「VRIO分析」との関係である。ポーターによると、業界は、?業界内の競争、?新規参入の脅威、?代替品の脅威、?供給業者の力関係、?顧客との力関係といった5つのフォーセス(競争要因=勢力)によって構成されているという。
一方、ジェイ・バーニーの「VRIO分析」では、競争優位性の源泉は、企業の内部資源とその組み合わせによるとしている。したがって、企業が業界に提供する内部資源こそが、持続的優位性を決定する要因であるとして、その特質を4つ挙げている。この2つの考え方は一見相反するものとして捉えられがちである。
しかし、実際にはポーターのファイブ・フォーセスは、「競争優位の源泉は、業界の競争構造に存在する」という説でごく自然な考え方であるし、バーニーのVRIO分析でいう「競争優位性の源泉は、企業の内部資源とその組み合わせによる」というのももっともな考え方であるから、この2つは現状分析とそれを踏まえた対応策の関係にある。
つまり、ポーターのファイブ・フォーセス分析により、業界の競争構造を客観的に捉え、バーニーのVRIO分析により、?内部資源のもたらす価値(Value)、?内部資源が持つ希少性(Rare)、?内部資源を模倣できない可能性(Impossible imitate)、?内部資源を開発できる組織(Organization)を評価するということである。
VRIO分析の評価の対象は、ブランド力、製品力、流通力(商流、物流)、コミュニケーション力(広告、宣伝)、販売力、顧客ロイヤリティ力、コストパァフォマンス力、バリューチェーン構築力、マーケティング活動力、組織力などである。当然のことながら、これらに加えて企業文化やこれに伴う行動規範なども評価される。
しかし、これらの評価対象を全て評価するのではなく、市場の競争優位性分析を踏まえた上で、市場からみて価値があると思われる内部資源に絞り込んで評価する。このときの視点が、価値、希少性、模倣困難性である。言い換えれば、この3つの視点から内部資源を評価し、効果的なマーケティング・ミックスを選択する手がかりを得るわけである。
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