マーケティング監査は、企業の外部環境への働きかけであるマーケティング活動を、戦略的マーケティングの視点から、大局的に評価する「潜在力評価」とマーケティング資産を原資とした投資活動という視点から、マーケティングROIという考え方を適用した「管理的評価」という2つの視点からアプローチが必要である。
マーケティング潜在力を評価する視点は、?戦略的ビジネス単位(SBU)が存在していることを前提とした「業界の競争構造」、?業界における自社の「競争ポジション」、?内部資源とその組み合わせの「希少性および模倣困難性」である。この組み合わせで、業界における収益と持続的競争優位性をもたらす潜在力を判断するわけである。
まず、業界の競争構造であるが、「企業が行う経済活動は、その業界の特性(枠組み)によって強く影響を受ける」ということを前提にしている。つまり、1企業の力では統制することが不可能な商習慣や消費行動があり、原則的にはこの構造を変えることは困難であるため、これを所与の条件としてマーケティングを展開せざるを得ない。
このような業界特性を与件とすれば、市場におけるマーケティング力の強さによって、業界における競争ポジションが決定づけられる。これを測定し評価することにより、そのポジションに応じた潜在的な影響力を明確にすることができる。つまり、身の丈にあったマーケティング戦略を構築できる手がかりが掴めるのである。
業界におけるポジションが掴めれば、内部資源の希少性と模倣困難性をどの程度保有しているかも容易に把握できる。こうしてマーケティング力の3要素である「収益力」「影響力」「持続的優位性」について評価できれば、効果的なマーケティング・プログラムのデザインというプロセスに進むことになるというわけである。
そこで、その分析手法についてであるが、まず、「業界の競争構造」は、マイケル・ポーターの「ファイブ・フォーセス分析」を用い、「業界における競争ポジション」は、フィリップス・コトラーの「競争ポジション分析」を、「内部資源の希少性および模倣困難性」は、ジェイ・バーニーの「VRIO分析」を用いるのが解かり易い。
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