営業は企業収益にかかわる文字通りマーケティング活動の第一線部隊であるが、単独の行動に全てを依存しているわけではなく、計画されたマーケティング・ミックスの中に組み込まれた最適行動が営業に課せられた使命である。しかし、従来は営業マン個人の能力によるところも多かったことも事実であり、販売実績が全てという評価が長く続いてきた。
しかし、個人の営業力には自ずから、限界があるだけに、販売ノウハウや顧客情報を全社的に共有することの必要性が叫ばれていたが、IT化の進展により急速に体制が整いはじめている。SFA(セールス・フォース・オートメーション)などの導入がその例であり、中小企業においても今後の進展が望まれるところである。
ここで、営業力とは何かについて考えてみると、結局はマーケティング力そのものであることであることに気がつくはずである。つまり、顧客を個客として捉え、個客の情報を収集し整理できているかどうかが、販売に結びつくかどうかのポイントであるので、この情報をどのような形で収集するかが決め手となるわけである。
中小企業の場合は、この情報収集の手立てといったものは、全て営業マン個人の裁量に委ねられていたため、たまたま知りえた情報は全社的に共有される仕組みができていない。このことが、担当者を変えると売上が下がるという脅迫観念から脱しきれず、なかば惰性で営業活動を継続している場合も稀ではないように思われる。
こうした成り行き的管理体制のツケが今回ってきたため、個客情報を全くといっていいほど知らないまま、プッシュ戦略一辺倒で営業活動を展開している。つまり、マーケティング戦略の中に営業活動の基本行動が組み込まれていないため、そうしたしこ様式が組織の中に育たなかったのであり、当然の結果としか言いようがない。
マーケティング監査を行うことの意義は、こうしたマーケティングの現状に警鐘を鳴らすという意味でも有効に機能する。第一線の営業マンも、右肩上がりの成長期と違い、価格競争に巻き込まれずに売上を伸ばすには、まず、個客の要望に耳を傾ける以外ないとコメントしている。この点をしっかりチェックするのがマーケティング監査の役割である。
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