製品戦略?戦略監査その8

 製品戦略の出発点は製品をどのように位置づけるかである。現在最も支持されている考え方は、消費者の問題を解決する「便益の束」として製品を捉えるというもので、例えば、女性が化粧品を買うのは、化粧品という物質を求めての行動ではなく、これを使用することによって得られるであろうと期待する便益(問題解決)を買っているのである。
 便益の束という捉えかたは、製品の中核的部分を的確に表現しているが、消費者がそれを認識し購買行動を引き起こすためには、実体的でビジュアルな訴求力が不可欠である。具体的には、品質、ブランド、スタイル、パッケージなどであるが、これだけにでは不十分で、保証や取り付け、クレジット機能なども重要なファクターとなる。
 この考え方は、サービスをも含むものであるという立場で、有形財ばかりではなく無形のサービスも製品として論じられるようになっている。ただし、サービスはモノ的商品とは異なる「無形性」「消滅性」「不可分性」「付加逆性」「変動性」などの性質があるため、マーケティング監査に際しても別の視点から戦略を評価する必要がある。
 また、一般的にマーケティングという時は、消費財メーカーのマーケティングを指すことが多いから、製品、価格、プロモーション、チャネルのいわゆる4Pの適正なミックスがマーケティング管理の中心課題であるが、流通業の場合は製品を製造することなく、メーカーあるいは卸売業者から仕入れることになる。
 この場合は、商品の選定、仕入先、数量、価格、販売方法などの組み合わせが、マーケティング課題となるので、流通業のマーケティングではそのサブ・システムであるマーチャンダイジングが重要な機能を担うことになるため、マーケティング管理もこのような視点からの監査が必要になるのは当然である。
 製品戦略でもう一つ欠かせないのが、製品対応に関する意思決定についてである。これには、個別ブランド、個別製品ライン、製品ライン全体といったレベルでの意思決定である。つまり、製品アイテム、製品ライン、製品ミックスの問題である。これらは管理レベルとしてはことなるものの、事業単位では統合化されていなければならない。