人口減少と超高齢化の同時進行?環境監査その1

 人口問題といえば少子高齢化という言葉で一くくりにされるが、人口が減少傾向にあるのは、合計特殊出生率の低下によるところが大きい。その原因は、20?30歳代の未婚率が上昇していることにあるようだ。人口統計学的要因分解によると、日本の合計特殊出生率の低下は、その70%が晩婚化・非婚化によるものだとされる。
 この主な原因は、適齢期の未婚人口比の不均衡、男女の結婚相手に求める条件の階層間のミスマッチ、女性の高学歴化および就業による経済的自立性の獲得、それに伴う人生の選択肢の多様化、男尊女卑的家族制度に対する女性の幻滅・忌避感、見合い制度の衰退とそれに代わる男女の出会いの場の欠如などが上げられているという。
 これに加え、独身男女の多くが親と同居しているパラサイト・シングルも多くなっている。また、男女の結びつきの形態も多様化しているためか、平均初婚年齢も微増傾向にあるようだ。このような晩婚化も少なからず影響していると思われるが、夫婦の出生力も一頃に比べ低下傾向にあるなど、事態はかなり深刻な状況にある。
 一方団塊の世代が定年期を向かえた今日、平均寿命は男子78.53歳、女子は85.49歳(2005年厚生労働省作成の生命表)と相変わらず高い水準にあるが、生産人口年齢は相対的に減少しており、年金問題も大きな課題としてのしかかってきているため、これまでタブー視されていた補充移民の問題が現実味を帯びてきている。
 このように少子高齢化の進行は、世帯構造にも大きな変化をもたらしている。2005年の総務省「国勢調査(速報)」によると、全国一般世帯は4822.5万世帯で、対2000年比14.2万世帯、3.1%増加しているが、平均世帯人員は2.60人で過去最低を記録している。つまりそれだけ単身世帯が増加しているということを意味しているわけである。
 企業経営に直結する人口問題は他にもある。地域間の人口移動問題は一時下火となっていた首都圏への集中が近年一層加速されつつあることだ。これは景気対策とも関連するものと思われるが、地域密着型の中小企業にとっては特に深刻な影を落としており、こうした国内事情をよそに世界の人口は急速に拡大している。