マーケティング目標監査

 企業経営においてその根底にあるのが経営理念であるとすれば、経営目標を達成するために設定された経営戦略に命を吹き込み、これを実効あるものにするために仕掛けられるマーケティング戦略も当然同じ目標が設定されることになる。したがって、マーケティング諸活動の方向を決定する評価基準が必要となる。
 目標として掲げるためには、数値で示されなければ意味がないので、一般的には長期、中期、短期に分けて設定されるが、具体的には、消費者満足度の向上、社会的責任と社会貢献度、新市場開拓、年度の売上目標や利益目標、市場占有率アップなどである。しかし、企業全体としてはその背後にある財務目標の達成という絶対条件によって制約される。
 いわゆる財務目標と市場目標の整合性の問題であるが、経営目標の達成に向かって協働するシステムであることを思えば、何等矛盾するものではないことであるが、マーケティング・マネジメント・システムが確立されていない中小企業などでは、マーケティング目標そのものを忌み嫌うというアレルギーがあるのも事実である。
 しかし、経営環境が急激でしかも変化の幅も想像を絶するという現実に立ち向かうためには、マーケティング監査は不可欠であることは疑う余地がないわけであるから、何らかの形でこのシステムを構築することを急ぐ必要がある。ただし、その前にマーケティングの有用性(必要性)を社内で共有できる土壌を作ることが前提である。
 すなわち、マーケティング諸環境の把握、市場機会の分析による発見、ここでいうマーケティング目標の設定、マーケティング計画策定、マーケティング担当者の配置、マーケティング組織の調整、マーケティング実施、マーケティング活動の評価といったトータル・システムを構築することが先行して行わなければならない。
 さらに、この仕組みを実効あるものにするためには、これを統括するマーケティング・マネジャーは、ライン長である販売部長や市場調査部長、製品企画部長と連携をとる必要がある。中小企業の場合は、こうした大掛かりな組織改革を行わなくても、キーマンとなるマーケティング・マネジャーの機能を担う人材を発掘することが肝要である。