マーケティング環境監査

 経営計画を策定するに当って、まず把握しておかなければならないのが経営環境である。経営計画で設定した目標の達成を目指して、市場展開するための最適戦術がマーケティング戦略であると位置づければ、マーケティングの過程でマーケティング諸活動に影響を及ぼす環境変数(要因)には、外的環境と内的環境の二つがある。
 外的環境は、自然環境、法律環境、政治環境、経済環境、文化環境、市場環境、競争環境などがあり、経営者のマーケティング意思決定に影響し、制約する統制不可能な要因である。一方の内的環境は、自社内の経営資源の活用や統制が可能である。したがって、マーケティング戦略は、外的環境を如何に的確に把握し経営に反映させるかが重要である。
 市場における企業が利益を得られるようなマーケティング機会、つまり、顧客ニーズが外的環境の中に潜んでいることを確実に捉え、自社のマーケティングに反映させなければならない。これがいわゆるマーケティング環境の分析による、マーケティング機会の探索といわれるアプローチを通じての外部環境への適応である。
 企業は、製品(商品)・価格・販促・広告・流通などの全ての要素を如何に適切に組み合わせ、市場において差別的優位性を打ち出し、収益の確保と企業価値の拡大を目指すかという行動を選択することになるが、最適な枠組みがマーケティング計画であり、この業績に関する評価を行うのがマーケティング統制である。
 マーケティング監査は、マーケティング活動の評価(統制)に監査の概念を適用したもので、マーケティング活動全般に関する総合的な評価と診断を行う。ここでは、マーケティング環境、マーケティング戦略、マーケティング目標、マーケティング組織、マーケティング活動、マーケティング効率(生産性、販売適正、収益性など)などについて行う。
 企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化するなか、環境変化に適応するマーケティング活動全般を客観的に評価するマーケティング監査は、経営計画を是正する機能と次期の計画にフィードバックするという、重要な役割をもっている最終的な統制手段であり、成果を高めるための是正策を勧告することを狙いとして行われる。