ROS/RMS分析?その2

 この分析が有効なのは、相対的マーケットシェアと営業利益率の間にはかなり強い正の相関があることが前提条件であるが、いかに寡占型企業といえどもこれらの相関係数が1であることはあり得えない。つまり、相対的マーケットシェアは高いが営業利益率は低いという企業もあるし、その逆の企業もあり得るのは当然である。
 一般的にいって、中小企業性の高い市場においては、この2つ相関関係はあまり高くない。その理由は幾つか考えられるが、企業が置かれている状況により、売上高の変動に関わらず一定水準以上の営業利益を計上しなければならない事情がある場合、減価償却費が必ずしもその年度の収益に対応していない場合などである。
 企業の収益力を測定する場合、償却前営業利益を用いるのはこのためであるが、いずれにしても、中小企業が競争に打ち勝つための戦略を構築しようする場合は、主成分分析により明らかになった各社のポジションを基にクラスター分析を行い、比較的競合企業が少ない分野をセグメントすることで勝ちパターンをデザインするしかない。
 この場合、自社が競争相手として選んだ企業以外に、自社が他社から競争相手として狙われることも想定しておかなければならない。この危険性を回避しようとすれば、市場をより細分化しなければならないが、その場合は市場としての魅力度に欠けるものになってしまうことや自社の経営資源が十分に活用できなくなることもある。
 つまり、自社にとって魅力のある市場は、他社にとっても魅力があると考えなければならないから、必ず競争相手が存在していることが前提になるので、クラスター分析により、セグメントする市場の構造をよく見極める必要がある。この段階までたどりつけば、SWOT分析などのかなり恣意的な分析でもある程度は精度の高い仮説が立てられる。
 できればこの細分化された市場を一つの寡占市場とみなし、この市場に参入している企業のポジションを改めて測定してみる。それはちょうど業界全体における自社のポジションと限定的地域における自社のポジションというイメージであるが、これを応用すれば競合他社の収益構造がかなり正確に推定できることになるはずである。