大企業性の寡占化市場においては、市場の不確実性はマーケティング上それほど大きな問題にならない場合もある。つまり、この市場から発せられる総情報量を異質性と不安定性の相乗積で捉えると、それは市場参加企業のシェアの合計と収益率(営業利益)の相乗積に置き換えられるから、他社とのシェアに着目すれば足りるとみることもできる。
典型的な例は自動車産業である。この業界の場合は自社の相対的シェアの高さがそのまま収益率の高さに直結しているので、自社のポジションがそのまま収益率のポジションと見てほぼ間違いないから、この市場において競争戦略をしかけるためには、この背後にあるマーケティング戦略構造を分析すればよいことになる。
ただし、これを分析するということが勝ちパターンを作り出すことに繋がるという保証はないわけであるが、少なくとも自社の最適な戦い方を編み出す糸口にはなる。こうしたメカニズムを応用すれば、例え小さな市場で中小企業が戦う場合でも、同様の方式でマーケティング戦略を構築できる理屈になるはずである。
つまり、市場を細分化することにより、小さな寡占型市場を規定できれば、そこも市場参加企業のシェアの合計と収益率(営業利益)の相乗積に置き換えられるから、市場から発せられる総情報量を鷲づかみできるということである。その上で、ポジショニング分析を行えば、自社の強み弱みを確実に把握することができる。
もちろん、ストレートにこの分析を行っても、市場が定義されていなければ、市場の境界も不明であるので、マーケティング戦略を構築する場合の情報としては活用しにくい。ということは、やはりこの場合も仮説?検証モデルというサイクルの中で、分析を繰り返すというシステム的アプローチは欠かせないのである。
しかし、旧来型の中小企業が半ば気合で行っていたマーケティング活動よりははるかに経済的かつ効率的である。やって見なければわからないという悲壮な戦いでは、最早勝ち残ることなどありえないのに、相変わらず独自能力を過大評価したままで、起死回生のホームランを狙って、体力を消耗させている企業はかなり多いように思われる。
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