競合他社と自社の位置関係を確認

 市場における競争状況を捉えるためには、ポジショニング分析を用いるのが効果的であることは何度か述べたが、ここではもう少し細かく使い分けをする手法とその意義について考えてみよう。以前に紹介した分析は、経営指標を用いて主成分分析を行い、その結果の背後にある各社の強みと弱みを推定するという方法であった。
 例えば、総資本の大小、資本の効率的運用力、売上高の大小、生産性の大小などに着目して、これをさらに分析することで他社との違いを明らかにするという手法である。この方法は、改めてデータを収集しなくても、既存のデータを活用することができるという大きなメリットがあり、総合力を測定するには便利である。
 しかし、自社の強み弱みを明らかにするということは、今後予想される市場展開において、有利な戦略を構築するために行うわけであるから、単にポジションを明らかにしただけでは意味がない。つまり、現在のポジションを形成している裏づけである商品力(サービス)やアフターサービス、ブランド力、販売促進方法などを解明しなければならない。
 要するに、競合他社がどのように儲ける仕組みを作っているかを探ることが目的なのである。したがって、市場における競合他社の強さの秘密に関する分析により、自社のシェアアップや粗利益率アップの可能性を探るというのがその内容であるから、かなり多方面からのアプローチが求められることになるであろう。
 この分析もある仮説を検証するという位置づけにあるのは例外ではないので、データの収集は、社内に蓄積された定番のデータを分析した結果、有効と認められるものでなければならない。具体的には、この分析に先行して行われる計画と実績の差異分析である。つまり、ここがしっかりしていなければ、効果的なマーケティング戦略は構築できない。
 中小企業の場合は、大企業により寡占化されている市場でマーケティングを展開することは殆どない。しかし、同質市場をさらに細分化することでニッチ市場を設定することは可能であるから、その際の勝ちパターンのヒントを掴むためにも、計画と実績の差異分析とポジショニング分析を組み合わせて活用することが有効である。