自社の独自能力はどの程度の品質の製品をどれくらい造るかという問題とも背中合わせである。これには製品の製造能力と製品原価という、販売高を左右する要因が隠れているためで、前者は製品別と工程別に検討されなければならないし、後者は材料費、労務費、製造間接費などに細分化して分析する必要がある。
さらに材料費は、材料費の調達価格、補助材料費に分けられるが、当然これらは販売量と製造量の双方に関連して増減するので、単位当りの価格にも影響を与えることとなる。また、労務費は、労賃の賃率、製造能率、製造量によって変化するので、製造原価の歩留まりを独自能力と見るのであれば、仮設の設定はかなり困難な作業となる。
製造間接費にしても、固定費的要素と変動費的要素が混在しているため、予算化するためには、操業度と能率レベルによって標準を設定しなければならない。一方変動費は、統制可能なものと操業度によって変化する部分が含まれているから、変動費予算をどの程度に設定すればよいのかも精査してみなければ簡単には決められない。
次に一般管理費や購買予算(原材料費や補助材料費以外の購買費)も独自能力を規定する要素であることは間違いない。そして、最後に資金調達力と金利水準である。すなわち、資金調達力を抜きにしては企業の独自能力を測定することはできないので、必ず、機能と時間、資金調達力と金利水準を織り込んだ形で製品力を位置づけなければならない。
以上の諸要素を全てチェックしなければ、客観的に独自能力を測定することはできないが、そうだとすれば逆に独自能力を測定することの意味も非現実的なものとなるため、ある程度のレベルで、大まかな数値を設定して製造から市場導入までを実践してみるという形にならざるを得ないということになるであろう。
その結果、必ずといっても過言ではないほど、売上高は計画と差異が生じるであろう。しかし、ここで、その結果を差異分析することを怠ってしまうと、独自能力の評価軸が崩れてしまい、販売促進にのみ期待をかけるという経営活動に終始するようになってしまうので、独自能力(自社の最大の強み)が生かしきれない状態に陥ってしまうのである。
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