分析によって得られた結果の解釈が仮説の元になる?その2

 分析と仮説の関係を押さえることで、もう一度企業経営における情報の重要性を確認しておきたい。前述のように経営計画は情報の収集と分析の結果を反映させたものであるから、それ自体仮説そのものであり、経営計画を実施した結果を分析することは、仮説の検証であると述べたが、この繰り返しでは仮説は何時までたっても仮説に過ぎない。
 しかし、この場合の仮説は、当初に設定した仮説とは全く内容が異なったものである。つまり、経営側からみたあるべき姿に限りなく近づくためのものでなければ、分析?仮説モデルとは言えないのである。経営のサイクルを回すことにより、分析?仮説も繰り返されるので、あるべき姿との乖離幅が縮小されていくはずである。
 ただし、市場環境の変化が激しい場合は、何があるべき姿なのかを特定できない場合もあるので、現実問題としては必ず近づくとは限らない。そうした環境変化を的確に捉えることも分析の機能であることにも留意しなければならない。この部分がいわゆる定性分析と位置づけるべきなのだろうが、何らかの形で数値化して捉える工夫が必要である。
 具体的な手法についてはこれまで述べてきたのでここでは省略するが、質的データ(カテゴリーデータ)の背後には、何らかの因果関係が隠されているとみて差し支えない。現代マーケティングでは、かなり踏み込んだ分析手法が開発されているので、こと分析手法に関しては比較的簡単に入手できるものと思われる。
 これも繰り返しになるが、分析手法をひっさげて問題解決を専門とする業者が雨後の竹の子のように出没し、あたかもそのツール(ノウハウ)を駆使すれば何でも解決できると勘違いするような事業者が横行している。こうした傾向は嘆かわしいことではあるが、特に詐欺に当たるわけではなく、むしろ大真面目であるだけに始末が悪い。
 経営戦略はマクロ的に見れば似ているかもしれないが、誰のどんな生活シーンを想定して、どんな問題解決を目指すのかという、戦略ドメインが異なるのであれば、戦略は事業の数だけあるといっても過言ではない。つまり、その数だけ異なった仮説があるわけで、この情報価値を理解することなしに分析ツールは機能させられないのである。