好業績を上げている企業は市場情報を的確に掴んでいる。そして、その情報を加工して仮説を立て実施して検証し、新たな仮設を立てるといったサイクルを構築している。このようにして分析?仮説サイクルを回しながら、環境にフィットした計画に高めていくというスタイルを実践しているが、それでも完全というわけにはいかない。
近年は情報加工技術も発展しているため、問題解決に向けた分析ツールも多く出回ってはいるが、IT技術とマーケティング力とがうまく噛み合わず、折角開発した分析ソフトが宝の持ち腐れになっていることも多く見られる。中でも網羅的でワンタッチで全てを解決できることを目指しているタイプのソフトは使い勝手が悪いように思われる。
企業経営は引数(変数)が多くかつ変動が大きいため、標準化が困難であることが当たり前であるのだから、定型的で一定の法則性を持った変化など、期待できるはずがないにもかかわらず、操作の簡便性を売り物にしたものが多いのには驚かされるが、これに寄りかかり過ぎる企業の側にも問題があることを指摘せざるを得ない。
例えば、中堅のある食品製造業では、製品ごとの製造原価をリアルタイムで把握できるシステムを開発業者から購入した。かなりの品目を製造しているこの企業では、単品ごとの原価管理が困難であることからソフトを導入したものであるが、原材料や人件費はもとより標準時間、単位当り水道・電気の使用量まで含めて、原価管理を徹底している。
しかし、実際にどのように活用しているかといえば、全く機能していないのである。そのことについて尋ねてみると、原材料の原価の変動が激しかったことと、製品の売れ行きによってラインのシフトを替えなければならないので、標準的な工場の稼動を前提にして設計されたパッケージは導入当初から機能していないという。
それでも全ての管理資料は、このシステムを通してしか出力されないので、このデータを帳簿に転記しているというのである。問題解決のために何が必要かという視点が欠けていたために生じた現象であることは明らかなのだが、経営者はシステムの不具合だけを問題にしている姿は痛々しくさえ思えてならない。
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