中小企業の問題発生メカニズムの検証?その1

 中小企業にとってだけではなく、全ての組織にとって問題を的確に把握することが、問題解決のための大前提であるはずだ。しかし、現実には現段階で経営者が認識しているあるべき姿と現状とのギャップは拡大するばかりで、一向に解決の糸口さえ見つからないというのは何故なのだろうか。これには大きく分けて二つの原因が考えられる。
 一つは、これまで話題にしてきたあるべき姿を的確に捉えていないため、現状とのギャップも特定できないことから、その当然の結果として的確な問題解決策を打ち出すことができない場合である。もう一つは、問題を特定するに相応しいデータが収集できないか、あるいは分析技術が不足しているため、問題に辿り着けない場合である。
 いずれの場合もその根は成果達成に向けての経営者の意欲にあると言える。つまり、経営理念に基づいて投下された経営資源を回収する意思が固ければ、あるべき姿が経営活動により歪められていく状況を放置するはずが無いからだ。その場合は、当然問題の発生原因を明らかにして是正策を講じようとするであろう。
 しかし、現実にはそうした心的な焦りとは裏腹に問題はどんどん広がっているという現象を見ると、問題を特定し解消することが困難であるかが理解できる。ということは、問題を見つけ解消しようと思っても、どのようにして問題の本質を掴み解決策を講じればよいのかが見えないというのが、大方の企業経営者の本音のような気がする。
 ここではそうした経営者が取るべき施策として最も有効と思われるアプローチを考えてみたいと思うのである。それにはまず、問題解決のための情報収集力の強化という視点からアプローチしてみよう。業績が悪化している企業に共通している特徴は、データの作成段階に既に問題があり、問題解決のためのデータが整備されていない。
 近年はIT化の進展により売上数量・金額、仕入数量・金額、得意先名、得意先コード、担当者その他のデータが順序よく整理されたビジュアルなデータとして備えつけられており、前年対比や試算表なども整備されている。もちろん分析ツールも用意されており、至れり尽くせりであるが、肝心の問題の発見には殆ど活用されていない。