問題が生じるメカニズムを捉える

 問題が発生するメカニズムを把握するということは、あるべき姿とのギャップが無い(少ない)時点と大きく乖離した時点の要因を把握することであるから、分析?仮説サイクルの中に情報の入れ替えを行ってみるというシステムが組み込まれていることが求められる。つまり、見方を変えれば計画と実績の差異分析による仮説でもある。
 ただし、ここで誤解してはならないことは、差異分析により導き出された結果を踏まえて、仮設を立てることで分析を終了させてしまっては意味が無いことである。仮説はどんなに研ぎ澄まされた説であったとしても、所詮は仮の説であるということを認識して、問題の本質を見極めるというのが分析?仮説サイクルの本来的機能である。
 このサイクルを機械的に回すという側面を否定するものではないが、どうしても数値データを扱うため定量分析に重点をおいてしまうが、本来数値化が馴染まない意識の変化とか、消費者の準拠集団の行動パターンといった定性的なデータを、何らかの手法を通じて数量化しているということを軽視してしまう虞がある。
 すなわち、仮説は問題把握のために起こすアクションの拠り所であり、これを検証することで新たな仮説を立てるというプロセスの中で分析の精度を高めていくしかないのである。元々、定量分析とは定性的データを定量的データという信号に変えて読み出したものであるから、定量分析の結果は定性的情報に戻さなければ完了しないのである。
 こうした難しさがあるからこそ、あるべき姿と現状との間に存在する問題を解決することも困難なわけであるが、分析?仮説サイクルを回しつづけることによって、少なくともその分析システムの精度が高まってくることが期待される。これはゴルフのパッティングを何回も繰り返しているうちに、学習効果が蓄積されるのと同じである。
 よい仮説が立てられれば、それだけあるべき姿に到達でくる可能性が高まることになるから、現状との差異も縮小されると考えれば、問題の広がりを防止する手法が開発された結果と見ることもできる。つまり、問題が発生するメカニズムとその重要な要素が特定できることが経営資源の適正配分にも繋がるはずである。