現状分析からのアプローチ

 問題を発見することの意義はあるべき姿に現状を近づける事にあるとすれば、まず現状を客観的に評価してみることが必要である。そこで今度は現状を分析する場合のアプローチについて考えてみようと思うのだが、あるべき姿を経営計画などで設定した時点から現在までの経緯を時系列的に分析しなければ意味がない。
 あるべき姿自体が変化しているとすれば、現状とのギャップである問題を捉えることができないからである。したがって、現状を如何に多角的に捉えても時間的な経過との関係を明らかにしなければ、単なる比較論に止まってしまうので、現状分析をすることの意義は時間軸に対する変化の度合いを2次元空間にプロットしてみることにある。
 この方法は、いわゆるX軸・Y軸でデータを表現してみることであり、例えば年度と売上やシェアといったデータをプロットしてみることで、計画当初に設定したあるべき姿とのギャップが時間の経過とともにどのように変化してきたかが認識できる。重回帰分析や相関分析はこのような考え方の典型的なものである。
 しかし、こうした定量的データ解析だけでは、その背後に隠されている数値化が困難な変化をつかみとることは困難な場合も想定されるので、変化の要因を定性的に捉えるという分析も同時に行わなければ、偏った解釈になってしまうこともあることに留意しなければならない。つまり、矛盾のない解釈をするというプロセスが重要である。
 こうした分析はこれまで何度か紹介した主成分分析や因子分析が威力を発揮するが、これとても、無視されるデータの大きさをどのように認識するかによって、今後の意思決定に少なからず影響与えることは確かである。しかし、経営の意思決定は常に50%の確率を基準に考えるべきであるから、拘りすぎると時間軸が意味をなさなくなってしまう。
 そこで、この分析の結果を客観的に評価することが大事なになるわけであるが、ここで重要なのは仮設の設定である。現状分析は仮説を検証する意味合いも含んでいるということになるので、時系列的現状分析?分析結果の解釈?仮説の設定というサイクルを回すことで、あるべき姿も浮かび上がってくることが期待できる。