アウトソーサーに期待される機能とは??その1

 現在在籍している企業において、その中核的機能を担う管理者を目指して突き進むことを志向することも選択肢の一つであるが、この場合、企業がアウトソーシングを実行しダウンサイジングに向かう傾向に拍車がかかれば、当然職位の数は縮小されてくることになるから、実力が正当に評価される可能性も限定的なものになるであろう。
 その点、受託者側に身をおくことを前提に考えれば、格段に選択肢か広がり、しかも自分のライフスタイルにもマッチした専門分野での活躍も期待できるうえ、管理職に上りつめることのみが生活のレベルを上げることではないことにも気づくであろう。何しろ、これからのアウトソーシングはパートナーとして位置づけられるからである。
 それではアウトソーサーの一員として活躍するためには、どのような基本機能が必要になるのであろうか。結論から先に言えば、IT化を受け入れることが絶対条件ではないにしても、情報の収集・加工能力は不可欠な要素であるから、自己が提供するサービスの品質を維持向上させるためには積極的に取り組むべきである。
 これがまず、第一条件であることを認識したうえで、次に業務遂行に必要な知恵と感性を身につけることである。今日ワーキングプアなどと呼ばれているワーカーは、IT技術はある程度身につけているが、この技術を活かしてビジネスに必要な知恵に発展させられない場合が多いように思われる。つまり、知識が未成熟なのである。
 一方、IT化を素直に受け入れることはできないまでも、ある種のアウトソーシングで社内外の技術者を活用し、第一線の管理職として立派に活躍している人も大勢存在する。こうした現実を見ると、これまで培ってきた知恵は、知識や情報を編集することで形成されたものであるから、編集は思考そのものであることにも気がつく。
 ただし、ここでいう編集とか思考というのは、「自分は何をなすべきか」というテーマを自己の責任において設定し、生みの苦しみを自ら求める覚悟がなければ、サービスの品質を高めるために差別化された知恵にまで育て上げることは難しい。