日本におけるアウトソーシングの形態は、別の組織に外部委託するという形が多いようであるが、これは従来からの下請形態と似ているため、比較的移行しやすかったという背景もあるのかもしれない。しかしこの形態は、前述のように無防備に委託先を選定すると、メリットよりもデメリットの方が大きくなる危険性もある。
そうした反省もあり、内部の専門家集団を独立させる形で、子会社や分社という形態を採用し、よりコントロールしやすいというメリットを狙うケースも増加している。これは従業員の解雇という形を避けたいという姿勢の現われでもあるが、中には転籍を伴うものもあり、身分や処遇面の問題との兼ね合いがある。
高齢者雇用安定法の改正を機に転籍や出向といった形態も見られるが、基本的には雇用の拡大が望めない企業の場合は、こうした形態をとらざるを得ないとしても、技術力や専門能力が優れていれば、逆に雇用の形態には拘らないという高齢者も多く存在しているところを見ると、今後新しい委託先が生まれる可能性は高いものと思われる。
また、インターネットのプロバイダーのように、企業間でジョイントベンチャーを立ち上げるという形も芽を吹き始めている。IT関連のソフト会社が企業の内部監査や教育・訓練、人事考課などを請け負うといった形態がこれにあたるが、あまりエスカレートすると本筋が見えなくなる虞もあるので注意が必要である。
間接部門の業務を一括して請け負う動きは、別の形態でも発展する兆しが見られるようになってきた。シェアードサービスと呼ばれるアウトソーシング形態がそれで、大手総合商社やデパートを始めとする企業間で採用されている。業務の内容は、情報通信、総務、人材派遣、旅行代理、物流などほぼ全ての部門を網羅している。
こうした動きを見る限り、前述のデメリットはあまり顕在化しないようにも思われる。こうしてみると、業務の共通性を取り出すことで、これまでブラインドなっていた弱みを下隠しにするという防衛策は消滅してしまい、オープンになっただけ最適なサービスが提供しやすくなったことが、委託企業側の強みがましたということかも知れない。
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