アウトソーシングのメリットとデメリット

 アウトソーシングは、自社のインフラを変更することなく組織の発展が期待できるというメリットがある。その他にも、最も得意とする分野を受託者が担当するので、内製化するよりもサービスの品質が高いこと、固定費の変動費化が図れるので損益分岐点の引き下げにも有効に作用するため、フレキシブルな経営が実現できる可能性が高まる。
 また、受託者側にとっても、業務を一括して担当するため、操業度が大幅に向上することから「経験曲線」が働きますますローコスト体質が加速されることになり、総コストの低減により一層貢献することになるのでグループ全体の競争力が増す。その結果を業務時間の短縮や収益性の拡大にも繋げることが可能となるなどのメリットがある。
 しかし、一方では受託先企業に対する調整力という点では、内製の場合とは異なりコントロールはしにくくなる傾向は否めないし、固有の技術やノウハウなどが流出してしまい、社内の知識レベルが低下することもあり得る。また、必要以上に委託業務に依存し過ぎると、受託業者に主導権を握られてしまうという危険性もないわけではない。
 更に気がかりなのは、受託者の倫理感が欠如している場合などは、機密情報の漏洩も気になるところであるし、受託者の経営基盤の脆弱性も命取りになる危険性も孕んでいるなどデメリットにもあるが、こうしたデメリットはアウトソーシングに限ったことではなく、提携や取引そのものにも内在している共通の問題である。
 外部との接点だけに目を奪われているが、社内的にもそうした問題は存在することも事実である。ある企業では、CRM経営を志向してIT導入に踏み切ったのだが、情報の共有化は図られたものの、コアとなる機密情報が社外に流出する危機にさらされたため、管理体制を強化したところ、従業員の不信感を募らせてしまった。
 このようなメリットとデメリットを勘案しながら、アウトソーシングを推進することになるわけだが、要は目的を明確化して最適な受託者を選定するしかない。この場合の検討項目としては、技術レベルは勿論のこと経営理念が共有できるものであることが必須の条件である。その上に立って、詳細な内容については綿密に契約に盛り込むことである。