前述のように予算差異分析だけが統制手段ではないが、経営計画を達成可能なものに仕上げることが、経営者の大きな仕事の柱である以上、メンバーを動機づける体制を整備することが不可欠であるが、問題はそれを如何にして実現するかであり、その展望が開けないのであれば、このことを議論する意味はないといわれても仕方がない。
しかし、企業の現場にはその糸口は確実に存在するはずである。というよりも、そういう視点で現実に立ち向かうしか活路を見出す道はないように思われるのである。どの企業にも共通することであるが、大抵の管理者や営業マンはやる気はあるのだが、どこにどうそのエネルギーをぶつけるべきかが見当たらない様子が窺われるのである。
経営者サイドから見れば、やる気があるのであればかつてのように力を発揮し、成果を上げられるはずだということになるだろうが、成熟した市場環境の中では、旧来の頑張りが通用しなくなって来ていることに配慮しなければ、成果を勝ち取ることは難しい状況になってきている。つまり、戦略の転換が必要なのである。
少し抽象的な議論になり過ぎたので、「山菜採り」の例で説明しよう。シーズ始めに手付かずの穴場にあたった時は、目ぼしいものを手当たりしだい採りあさることができるので、骨身を惜しまず取り捲ったモノが最高の功労者となるが、不幸にして後塵を拝することになったモノは前者と同じ能力では栄光を勝ち取ることはできない。
営業活動についても同じことで、骨身を惜しまず働くという能力では成果に結びつく可能性が薄くなっているのに、相変わらず「一生懸命」を唯一の売り物にしているため、力を発揮する場所がなくなったことを嘆いている。すなわち、市場が縮小したのだから売れなくなって当然と考え、努力が足りないのではと疑うことに封印をしてしまう。
ただ、成績が上がらないという事実は認識しているので、何とかしようと考えている姿勢はあるように見受けられる。この姿勢が本物であるとすれば、少し手間をかけてもある種の成功体験をさせることで、目覚めさせる方法はあるはずなので、認識レベルを確かめながら、やればできるということが実感できる道筋を示すことである。
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